22年の産科診療所での助産師長として、産科医師と助産師の協働・臨床での卒後教育の必要性を痛感しました。
助産師として、国家免許は取得して就職し、数年勤務したが、正常分娩に自信がない。助産外来での妊婦健診・超音波も臨床での、研修を受ける機会がない。臨床での指導者不足。卒後研修がシステム化されてない。。。医師も助産師に任せられない現状があります。
分娩も助産師が正常産は担当し、助産師の判断で医師が呼ばれる、産科医師と助産師の協働体制。それが妊産婦への医療サービスの充実につながり、また産科医師の負担の軽減・そして助産師のやりがいにつながる大学病院でもなく助産所でもなく、多くの妊産婦さんが数多く出産する診療所において、助産師が様々な活動を通して助産師のやりがいと妊産婦さんへのケアの厚みを増すため妊産婦により良いケアを実践していくためのマンパワーの確保とともに、卒後教育の大切さを実感臨床と教育の実績と経験を生かし、ローリスク妊婦を対象とした産科診療所に特化したなによりも技術的な自信を持って、医師に頼りにされる臨床助産師を育てたいと思っています。
今までの講演・執筆活動・大学院での講義テーマ
大学院講義
2006年〜 国際医療福祉大学院助産学分野 非常勤講師
2006年〜 上記大学院 特任臨床准教授
1女性のための健康運動
(助産師・健康運動指導士の立場から、妊娠中・産後の運動指導の実践)
2助産師外来における妊娠期の助産診断とケア
〜助産師が行う超音波検査の実際〜
診療所における助産師外来の実際
当院における医師と助産師の協働2009(周産期医学)
当院における学生実習受け入れと新人(卒後)教育について実践の場で助産学生を育てる 〜診療所で助産実習を受け入れて〜
診療所におけるリスクマネジメント(日本助産師会出版部 助産業務指針)2010年4月 私の仕事2010・マネジメントの流儀(日本看護協会機関誌「看護」3月号2010)
抜粋:産科医・助産師が少ない中で、今後産科診療所において診療の質が低下することなく分娩を扱うためには、医師・助産師・看護師の特性を生かしたより効率のよい業務分担が必要です。
国からの委託事業で、看護・助産師再就職支援研修を担当する機会がありました。この不況の時代一度家庭に入った看護職も再就職を考えている時代です。まして、専門職となれば、開業医は人員の確保をめざし、就職を希望している看護職もいるのですが、診療所に働く助産師が少ないのは、経営者である産科医師とのコンセンサスが得られず、助産師としての思いはあっても長く続かないことが多いようです。開業産科医師が助産師・看護師を報酬・条件だけでなく、業務分担しながらうまく活用していただけるとその中にやりがいをみつけもっとお互いによい仕事ができるのにと思っています。
今後の夢や目標
数年前から、『診療所における〜』というテーマで、いろいろなところでお話をさせていただく機会がとても多くなり、看護協会が「もっと診療所に助産師を!」と働きかけてる成果だと思っています。今回、大学病院でもなく助産所でもなく、多くの妊産婦さんが数多く出産する地方の診療所において、助産師が様々な活動を通して助産師のやりがいと妊産婦さんへのケアの厚みを増すために取り組んでいる現状を伝えられる機会をいただきました。
診療所勤務の助産師を増やすには、診療所のよさを伝えられる実習を受け入れ、妊産婦により良いケアを実践していくためのマンパワーの確保とともに卒後教育の大切さを実感しています。
やはり、私は臨床が好きで、基本的に臨床に身を置きながら、助産師教育との橋渡しができる今の立場に感謝しています。診療所で働く私自身が、魅力ある助産師としてテントを高く吊っていられるような存在でいること、そして後に続く若いスタッフが着実に育つことを願っています。仕事、そして私生活も大切に柔軟な働き方でキャリアを継続すること、これからはしなやかに仕事を続ける女性のスタイルがかっこいい時代になるかもしれません。
助産教育会 代表 田村一代